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セントラルドグマの登場人物とその流れ

エヴァの話ではありませんので、悪しからずご了承くださいまし。

生命科学を勉強しているとセントラルドグマという言葉に出会います。このセントラルドグマという概念は、生物の遺伝情報の流れを説明する基本的な考えとなっています。

セントラルドグマの流れを図にすると以下のような感じになります。それぞれのフローおよび言葉の説明をしていきますね。

登場人物(DNA, RNA, タンパク質)の説明

登場人物は、3 人です。DNA と RNA とタンパク質(PROTEIN)です。

ご存知 DNA は、遺伝物質で、二重らせん構造をもつ物質です。紐と紐が向かいあっているイメージで、そのお互いが対称となる情報を持っています。紐と紐は、微妙にくっついています。人間の場合、DNA は細胞の核の中に存在しています。全長 2m の DNA が、恐るべき収納術により収められています。すげえ。

RNA は、DNA の 2 本の紐の片方だけの物質(一本)。DNA と同じく遺伝情報を保持しています。DNA に比べて、壊れやすいですが、取り扱いやすいと考えてもらえると理解が進みます。

タンパク質は、生物の身体を構築するための基本的な物質です。遺伝物質は、このタンパク質の構造をコードしています。つまり、遺伝は、タンパク質の構造を伝えるリレーみたいなものですね。

セントラルドグマの要点

さて、登場人物の説明が終ったところで、セントラルドグマについて、上図と絡めて説明していきます。

セントラルドグマの要点は、3 つです。

  1. DNA は、複製(図の赤丸 1)によって、DNA 自身のコピーを作る。
  2. DNA は、転写(赤丸 2)によって、RNA として読み出される。
  3. RNA は、翻訳(赤丸 3)によって、遺伝情報の最終産物であるタンパク質に変換される。

1 の DNA が DNA を作る複製は、いわゆる細胞分裂というやつです。どんな生物にとっても、必須なプロセスです。

2 は、少し難しいですが、長い 2 本の紐を持っている DNA から、短い 1 本の紐(RNA)を作る作業のことです。今、身体に必要な情報を取り扱いやすい形にする作業ですね。核の中の DNA は長すぎるので。この時 RNA は、限られた情報しか持ちませんが、タンパク質(今、身体に必要なもの)を作るための情報を持っています。

最後に 3 ですが、これは先程の RNA からタンパク質を作る作業のことです。

これら 3 つの流れによって、生物の遺伝情報(DNA)が実際に使える形(タンパク質)になります。

この他にも矢印が残ってますが、説明が長くなるので割愛します。そういうフローもあるんだなぐらいに考えてもらえれば。

まとめ

以上をまとめるとセントラルドグマは、DNA という遺伝情報が RNA を経て、最後はタンパク質に変換されることと言えます。

細胞の中でこれらの作業が現在進行形で行われているのを意識するとなんだか楽しいですね。