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素人投資家の投資戦略ガイド 〜投資の基本の株式と債券〜

最近、個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)や NISA(ニーサ)が国主導で整備されています。これらは、投資で儲かった利益に対する税金を免除したり、投資した分、住民税が安くなるメリットがあります。

何故、国がこのような制度を作っているかと言えば、貯金のみに頼るのは心もとない時代になっていることが挙げられます。貯金の金利が安くなっている現在、バブルの時代のようにお金を預けているだけでは、勝手にお金が増えることはありません。

郵便局の金利ではお金が増えなくなった

調べたところによるとバブルの時代は、郵便局の金利は 8% だったそうです。つまり、郵便局に 100 万円預けると一年後には 100 万円 * 1.08 = 108 万円、二年後には 108 万円 * 1.08 = 116.64 万円、約 10 年後には 2 倍の 200 万円になりますね。※ ここでは税金を無視しています。

一方、現在の郵便局の金利は 0.001% しかありません。100 万円を預けると一年後には 100 万円 * 1.00001 = 100 万円と 10 円。バブルの時代は 1 年で 8 万円も増えたのに、今は 10 円しか増えない。国が発行する国債(日本の 10 年物国債)も最大で 0.09% です。

生まれてくる時代を間違えたという感想が口をついて出ると共に、上の世代が貯金を勧めるのも理解できます。ですが、今の金利を見る限り、僕たちの世代は違う方法を考えなければ、お金に有効的に働いてもらうことは出来なさそうです。

投資の基本は、株式と債券

「投資」と聞くと、なんとなく思い浮かんでしまうのは、宝くじ。

宝くじは胴元が儲かるように出来ていて、さらに宣伝効果を狙った高額化が進んでいるため、一等が当たる確率は 1,000 万分の 1 だとか。1,000 万回ぐらい輪廻転生すれば当たりそうですが、現実的ではないためギャンブルの部類に入るでしょう。

投資の基本は、株式と債券と言われます。

株式は、会社の一部を買い、会社の価値が高くなることや分配金として、リターンが得られる。リスクは高め、リターンは高めです。

債券は、お金を一定期間預けて、利子として、リターンが得られる。こちらは、リスクは低め、リターンは低めです。

投資の世界のリスクは、日常生活でのリスクとは意味合いが少し異なり、変動の幅が大きいということを指します。リスクが高いというのは、大きく増えることもあれば、大きく減ることもあるという意味です。

株式と債券について、実際のグラフを見ながら詳しく見ていきましょう。

リターンが高い株式

郵便局の貯金のようにほぼノーリスクでお金が一年で 8% 増える投資は、現在はありません。ですが、少しリスクを飲めば似た数字の投資はあります。S&P 500 という米国の主要企業 500 社から構成される株価指数を見てみましょう。

S&P 500

100 年に 1 度起きる規模の 2008 年のリーマンショックでは 50% 近く落ち込んでいますが、基本的には右肩上がりになっています。実際、S&P 500 の 2017 年の過去 20 年の平均リターンは 7.19% でした。

一方、日本の似たような指標である日経平均株価はどうでしょうか?

日経平均株価

うーん、薄目で見ても上がっているのか下がっているのか、よくわかりませんね。もちろん、ひとつひとつの企業を見ていけば、上がっている企業もありますが、素人の自分がプロを出し抜いて、その企業を見つけられると考えるのは、なかなか難しそうです。

日本に Facebook, Apple, Amazon, Google のような企業が生まれる土壌がないこと、少子化による人口減などが理由とは思いますが、ここに投資するのは、長い目では美味しいマーケットには見えません。

S&P 500 の最高値は更新され続けていますが、日経平均は 1989 年の最高値 3 万 8,957 円をまだまだ更新できていません。

株式投資と言うと、どうしても日本国内をイメージしてしまいますが、人口減でマーケットが小さくなる日本ではなく、移民政策で人口ピラミッドが綺麗に保たれている米国や、他の地域に目を向けるべきだと思います。

リスクの低い債券

債券のタイムリーなニュースでは、10 月後半に、米国国債の長期金利の値上げにより、株式の暴落が起きました。S&P 500 で見ると $2,900 → $2,600 と約 10% の下落が起きました。

代表的な債券である国債は、国が潰れない限り価値が保証されています。企業が潰れれば価値がなくなる株式に比べて、価値がなくなる確率が低い=リスクが低いです。そのためリスクが低い国債の利回りが高くなると、リスクが高い株式をわざわざ持つ意味が弱くなるため、株式が売られる傾向にあります。

ちなみに、現在の米 10 年物国債利回りは 3.2% です。先程の S&P 500 の 7.19% と比べると見劣りしますが、安心して持つことができる資産といえます。※ ちなみに、日本の 10 年物国債の 0.09% と比較になりませんね。

ここで BND という米国の債券市場全体へ幅広く分散されたファンドの数字を見てみましょう。構成される債券の半数近くがアメリカ国債で占められています。個人投資家は、このようなファンドを通して債券を買うのが分かりやすいです。

BND

先程の S&P 500 はリーマンショックでは 50% 近く落ち込んでいますが、こちらにはそのような顕著な下落がありませんね。

ちなみに、BND はヴァンガード社が運用しているファンドです。SBI 証券外貨建商品取引サイトでは、この利回り(分配利回り)は 2.53 %、経費率は 0.05% です。つまり、税金を抜いた単純計算では年 2.48% 増えることになります。

適度なリスクを受け入れて「投資」するのがこれからの資産運用

ここまで株式と債券について見てきました。どちらも上がり下がりすることはあるものの、長期的に見ればリターンがあることが分かりました。また、日本国内ばかりに目を向けていても駄目そうなことが分かりました。

実際、投資することになったら、どれぐらいのリスクを許容するかによって、株式と債券の割合を決めていきます。リターンが高いといって株式ばかりでは、リーマンショック級の出来事では -50% になるため、普通の心臓では耐えるのが難しそうです。

そのため、適度なリスクを受け入れて「投資」するのがこれからの資産運用です。