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オープン型・クローズド型のブロックチェーンの特徴から見る、ビットコインとリップルの違い

blockchain

前回の記事では、ブロックチェーンの特徴について見てきました。ブロックチェーンと聞くと、ブロックチェーン = ビットコインという固定概念からか、誰でも参加できる、すなわちオープン型をイメージしがちです。

この記事では、仮想通貨では一般的なオープン型と、その逆であるクローズド型の特徴を見ていき、クローズド型の実例であるリップル(Ripple)について触れていきます。

オープン型のブロックチェーンの特徴

オープン型のブロックチェーン = ほとんどの仮想通貨と捉えて問題ありません。以下の記事で挙げている、プルーフ・オブ・ワーク、プルーフ・オブ・ステーク、プルーフ・オブ・インポータンスを採用しているのは、オープン型と捉えて問題ないでしょう。

オープン型のブロックチェーンの設計は、悪意あるユーザーを前提としたシステム設計になっています。そのため、ビットコインの PoW は計算量により悪意ある改ざんを防いでいますし、改ざんをするよりも報酬を貰うほうが容易な設計をしています。そのため、非中央集権型だとしても全体として正しい方向に導くように作られています(この辺りは、サトシ・ナカモトが行動心理学をもとに設計したと言われています)。

オープン型の取引を承認していく仕組みには、一般的に時間がかかります。例えば、ビットコインの PoW はブロック生成間隔が 10 分に 1 回ですし、NEM の POI は 1 分に 1 度です。ある程度、時間を設けているのは、あるマイナー(取引を承認する人)の承認結果を参加者同士で検証する必要があるからです。

まとめるとオープン型のブロックチェーンには、取引を承認するマイナーや、取引自体の参加は自由ですが、時間や承認に手間が掛かることが分かります。

クローズド型のブロックチェーンの特徴

ripple

クローズド型(もしくはプライベート型とも言います)のブロックチェーンは、リップル(Ripple)がいい実例になります。クローズド型のブロックチェーンは、オープン型に比べて中央集権型と言えますが、どのような理由から来るのでしょうか?

例えば、取引を承認する立場になるには、それ自体に承認が必要です。現在は、リップル社(Ripple Inc)が承認した企業・機関しか、承認する立場になれません。これがクローズドの理由で、リップル社のコントロール下に置かれるもになります。

また、そこには取引を承認する立場になっても、そこに報酬は存在しないため、マイナーというよりも Validator(ヴァリデータ、承認する人)という呼びかたをされています。次のリンクは、リップル社が承認したヴァリデータリストです。

限定された企業や機関しか参加できない(クローズド)ということは、ビットコインのように悪意あるユーザーを前提とした作りをする必要はなく、取引の検証に時間や手間が掛かるシステムにしなくてもよいということになります。

実際、リップルでは、Ledger Consensus Process(レジャー・コンセンサス・プロセス)を採用しており、一秒間に 1,500 件の取引をさばくことができます。これは、PoW のように計算負荷も高くなく、メールサーバー程度のスペックで良いと言われています。

XRP Transation Per Soconds

出典:XRP | Ripple

しかし、報酬がないということは、企業・機関はリップルのネットワークにヴァリデータとして参加する動機はどこから生まれるのでしょうか?

リップルの仕組みを使えば、現状の SWIFT(スイフト)を使った国際送金よりも圧倒的に安く送金が行なえます。そのため、国際送金を頻繁に行う企業や銀行などが、リップルの仕組みを安定稼働させるためにヴァリデータとなり得る可能性は高いです。何故なら、彼らはリップルによって経費が削減できるからです。

今回は、リップルの例をもとにクローズ型のブロックチェーンを見てきましたが、金融機関などと相性の良いことが分かります。今後は、国が仮想通貨を発行するという話も出てきており、その時は、このクローズ型のブロックチェーンが使われるものと思います。